ステロイド外用薬の副作用

「ステロイド外用薬は使うと副作用がこわい」こんなイメージを持っている人は結構いらっしゃると思います。そして、ステロイドと聞いただけで使いたくないと思う人も多いでしょう。しかし実際は、塗り薬のステロイド外用薬が皮膚から吸収されても、血液中に入っていく量というのは本当にごくわずかです。全身に作用する飲み薬や注射剤と比べたところでも副作用は少なく、処方された正しい試用期間内で使っていれば、ほとんど問題ないことがわかっています。それでは、どれくらいの量を使用したら副作用というのは出てくるのでしょうか。

 

ステロイド外用薬の標準的な使い分けについて報告したある調査では、、最高クラスのストロングクラスのステロイド外用薬を1日20g(チューブ4本分・大人の手80枚の面積の使用量に相当する)を使った場合、全身性の副作用が起こる可能性があると報告されています。また、チューブ1本以上のステロイド外用薬を毎日、3カ月以上塗り続けると全身性の副作用が出ることもあるようです。しかし、このような1日に1本使用するなどどいった使用量は、専門医のもとで治療を進める限りでは、まずありえない量ですし、処方されません。ステロイド外用薬による副作用には、塗った部分に現われるものと全身性のものと2種類があります。部分的に現れる副作用としては、塗り続けた部分の皮膚が薄くなる、多毛・血管の拡張・ニキビが増える・皮膚からの感染症などがみられます。前述した副作用の調査は、いずれも全身に現れる副作用についてで、ムーンフェイスと呼ばれる顔が丸くなる現象や、糖尿病・骨粗鬆症などを示すといわれています。しかしながら、ステロイド外用薬は、症状によほどのことがない限り、多量にかつ、長期間塗り続けるような使い方はしません。ステロイド外用薬は医師によって決められた量を塗り、定期的に医師の診察を受けている限りでは、問題はほとんど起こらないでしょう。とはいえ、適量を塗っていても副作用が出てしまう場合が稀にあります。部分的な副作用は、ステロイド外用薬を止めると半年ほどで治りますが、この中の皮膚線条(皮膚が薄くなって裂け妊娠線や成長線のようなものができるもの)だけは、一度出来てしまうと元には戻りません。皮膚線条は、わきの下、そけい部(足のつけ根)、陰部などにできやすいため、そのあたりの注意が必要です。

 

また、治療を進めていくうちに、皮膚がどす黒くなって色素沈着することがあります。この症状をを副作用が出たと勘違いする人が多いのですが、皮膚の炎症が治ってきた段階で起こるもので、決してステロイド外用薬による副作用ではありません。ただし注意してほしいのがステロイド外用薬は、まぶたに塗ると緑内障を発症する可能性があります。顔に使用する際には特に注意し、使用方法などを医師に確認することをお勧めします。