食物アレルギーの2つのタイプ

食物アレルギーは食べた後にすぐ症状が起こるものと、症状が出るまでにある程度の時間がかかるものと2種類あります。前者を即時型、後者を覆面型と呼んでいます。「サバなどの光物を食べるとじんましんが出る」「エビやカニを食べると下痢をする」というような人がいますが、これなどは食べてからすぐに症状が出てきますので、即時型の食物アレルギーなので原因となるものとの因果関係もはっきりしています。即時型の場合は、年中食べているものよりは、ごくたまに食べると症状が出るものが多いようです。しかし、このタイプの食物アレルギーはアレルギーの中のほんの一部にしかすぎません。

 

食物アレルギーの大部分は覆面型なのです。毎日当たり前の様に摂取している食物によって起こり、しかもそれは時間がたってから症状となって現われてくるためにアレルゲン(食物)と症状の関係がなかなかつかみにくいのです。それを食べた患者さん自身が気付いていることはほとんどありません。というのも、そのものを毎日食べていても症状が出ないことがあったり、体の調子によって症状が出たり消えたりするからです。覆面型の食物アレルギーの場合は、下痢・腹痛といった胃腸症状や気管支ぜんそく・アレルギー性鼻炎といった症状の陰に、気が付かないような意外な症状が隠れていることが多くあるのです。

 

たとえば、普段から落ち着きがない、疲れやすい、集中力が続かない、布団に入っても眠れない、気持がふさぎ込む、怠けぐせ、何に対してもイライラする、目に耳にこれといった異常が見当たらないのにまぶしさや難聴を訴える、などといった症状です。これらはアレルギー性緊張弛緩症候群(別名ATFS)と呼ばれているものです。

 

こうした症状をすぐに『アレルギーがあるから』と結び付けて考える人は少ないと思います。もちろん、神経や精神系などに影響を及ぼす病気は他にも多々ありますが、実は、食物アレルギーが原因となっていることも意外と多いのです。登校拒否・家庭内暴力・最近の子供たちの問題行動も、食物の影響からくるものが大きいのではないかと考える人もいて、現在研究が進められているところです。また、原因はよくわからないまま片頭痛や肩こりに悩んでいる人などが、実は食物アレルギーだったということもあるのです。