アレルギーの治療は原因を探すことから

まずはアレルゲンを知ること

アレルギーを持っている患者さんの約9割近くの人は、アレルギーの原因(アレルゲン)が何かを知らずに、、調べてもらっていないのが現状です。小さい頃から喘息で15年もずっと病院に通っていたり、アトピー性皮膚炎で長年悩んでいたり、アレルギー性鼻炎が苦しくて夜眠れなかったり、化粧品で顔がかぶれたりなどとなったとしても、ほとんどの場合、自分を苦しめているアレルゲンが何であるかを調べてもらっていないし知らないといった場合が多いのです。治療法は、内服薬や軟骨療法だけと考えがちですが、アレルギーは今の現状では薬だけで治すことはまず不可能なのです。アレルギー反応はアレルゲン自体がなければ起きません。自分はどのアレルゲンに反応するのかを調べて、それをとり除くか、あるいは少なくすることでアレルギー症状は起こらなくなるか、軽くすることはできます。アレルギーを治すことができるのは、環境からアレルゲンを探して、これをとり除く「原因療法」しかないのです。

 

では、代表的なアレルギー疾患について、どのようなものがアレルゲンになっているのかを見ていきましょう。

 

喘息の場合

喘息の患者さんの約70%の人は家の中のほこり、一般にはハウスダストと呼ばれるものやダニのアレルゲン検査に対して陽性を示します。また、お蕎麦はアレルギーを起こす力がとても強く、そば喘息はよく知られているところです。そば屋さんなどは職業的に喘息になりやすい人が多く、一般的にはそば殻の枕がその原因になっている場合があるので気を付けて下さい。また、絹や犬、猫、鳥などの毛も舞ったりして喘息の原因の一つに挙げられています。花粉ではブタクサやヨモギなどの道端に生えている雑草が、喘息の引き金になっていることがありますし、乳児に関しては、離乳食から食べ始めた食物によって喘息が引き起こされることがあります。その他ではカビ、いわゆる真菌などが原因の場合もあります。

 

アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎の場合

ハウスダストやダニは通年性で、四季に関係なく、年中症状があります。季節の変わり目などに症状が悪化する場合もありますし、季節性のものでよく知られているのは花粉で、近年この患者は激増しています。2〜4月までは樹木からの花粉(とくにスギ、ヒノキが有名)、5〜6月にかけてはハルガヤ、カモガヤ、スズメノテッポウ、オオアワガエリなどが代表ですが、その他多数あります。秋の花粉症としてはブタクサ、ヨモギなどがあります。

 

アトピー性皮膚炎の場合

食物アレルギーが主な原因です。卵、牛乳、大豆、小麦、米、豚肉などが原因しているものが大半です。その他にバナナ・キウイフルーツ・イチゴなどの果物やサバ、エビ、カニなどの魚介類、砂糖も原因になることがあります。重症の場合にはこれらの全てに過敏になることもあります。

 

接触性皮膚炎の場合

接触性皮膚炎は皮膚に接触した物質が抗原となってアレルギー反応が起こります。この反応の多くは遅延型のアレルギーW型のアレルギーに属します。皮膚炎の症状は顔や手に多く、白髪染め、洗剤、化粧品、イヤリング、ストッキング、など、身のまわりのものがアレルゲンになる可能性があります。接触性皮膚炎にはアレルギーによるものと、強酸やアルカリなどによって起こる一次刺激性とがありますので、注意して区別しなければいけません。

 

薬物性アレルギーの場合

薬剤はそれ単体では分子量が小さく、アレルギー反応を起こすことはまずありません。薬剤が体の中のタンパク質や組織と結合し、初めて抗原性を発揮します。これに対しての抗体がつくられ、組織障害型の抗原抗体反応が起こるのです。原因となる薬剤はペニシリンやピリン系の薬剤によるアレルギーが有名ですが、その他にも抗生物質や消炎剤、鎮痛剤、高血圧治療剤、抗けいれん剤など多種にわたっています。